むち打ち損傷の三療
1.むち打ち損傷の診察の要点
(1) 事故の状況を可能な限り詳しく把握する。
①衝突、追突、側突の別によって損傷されやすい頸椎の部位が異なる。
②頸椎のひずみだけでなく、脊柱(特に上部胸椎部)の歪みや捻れに要注意。
③上肢の神経根症状や循環障害にも注意し、症状がある場合にはその高位を判定する。 - 神経根レベルの高位診断。
④下肢の神経症状、膀胱障害や性機能障害などがある場合には頸椎症性脊髄症を疑い、専門医に委ねる。
⑤ホルネル症候群を認める場合にも専門医への受診を勧める。
⑥症状の経過を確認する際、天候(寒冷や湿潤)による影響は必ず問う。 - 痺証の存在を知る。
⑦症状の増悪因子、軽快因子を確認して補助療法の選択や生活指導の参考にする。