スポット皮膚表面電極(SSP)療法の臨床応用

スポット皮膚表面電極(SSP)療法の臨床応用

1.肩凝り症のSSP療法

A.通電部位

(1) 僧帽筋型の肩凝り

A C6直側(緑色)と天柱{項窩の中央の外法1寸3分}(黄色)

B C6直側(緑色)と肩井{第7頸椎棘突起と肩峰外端とを結んだ線のほぼ中間で圧迫するとよく響くところ}(黄色)

C C7直側(緑色)と肩外兪{第1胸椎棘突起の下の外方3寸}(黄色)

(2) 菱形筋型の肩こり

A Th1直側(緑色)と附分{第2胸椎棘突起の下の外方3寸}(黄色)

B Th2直側(緑色)と膏肓{第4胸椎棘突起の下の外方3寸}(黄色)

(3) 棘上筋。肩甲挙筋型の肩こり

  ①天  {肩甲骨上角の上外方}(緑色)と曲垣{肩甲棘内端の直上}(黄色)

 B.通電方法 : 5・20Hzのミックス通電で、10分~15分間、痛みを引き起こさない強さで通電する。

2.肩関節周囲炎(五十肩)のSSP療法

A.通電部位

  ①肩  下{肩峰外端の下方1寸}(黄色)と曲池{上腕骨外側上顆の前}(緑色)

  ②肩  下{肩峰外端の下方1寸}(緑色)と結節付近のの圧痛点{皮下に筋、または腱のある場所}(黄色)

  ③肩  下{肩峰外端の下方1寸}(緑色)と肩  {肩甲棘後端の下際の圧痛部}(黄色)

  ④肩  {肩甲棘後端の下際の圧痛部}(黄色)と天宗{肩甲棘中央の下方で圧迫するとよく響く所}(緑色)

 B.通電方法 : ①上記の通電部位から、症状の強い場所を選んで通電する。

②5・20Hzのミックス通電で、10分~15分間、痛みを引き起こさない強さで通電する。

3.腰痛症・坐骨神経痛症候群のSSP療法

A.通電部位

  ①腎兪{第2腰椎棘突起の下の外方1寸5分}(緑色)と大腸兪{第4腰椎棘突起の下の外方1寸5分}(黄色)

  ②志室{第2腰椎棘突起の下の外方3寸}(緑色)と腰眼{第3・第4腰椎棘突起の外方3寸付近に生ずる筋溝、脊柱起立筋外縁と腸骨稜との交点付近}(黄色)

  ③大腸兪{第4腰椎棘突起の下の外方1寸5分}(緑色)と小腸兪{第1正中仙骨稜の下の外方1寸5分}(黄色)

  ④小野寺点{腸骨稜中央の下方2~3㎝の部}(緑色)と中国流環跳{坐骨結節と大転子を結んだ線上で外3分のⅠの部}(黄色)

  ⑤承扶{殿溝のほぼ中央の圧痛部}(緑色)と殷門{大腿後側のほぼ中央の圧痛部}(黄色)

  ⑥委中{膝窩横紋の中央の圧痛部}(緑色)と承山{下腿の正中で、下腿三頭筋がアキレス腱に移行する部}(黄色)

  ⑦殷門{大腿後側のほぼ中央の圧痛部}(緑色)と陽陵泉{腓骨頭の前下部の圧痛部}(黄色)

  ⑧殷門{大腿後側のほぼ中央の圧痛部}(緑色)と足三里{陽陵泉と脛骨粗面を結んだ線のほぼ中央部の圧痛部}(黄色)

 B.通電方法 : ①上記の通電部位から、症状の強い場所を選んで通電する。

②5・20Hzのミックス通電で、10分~15分間、痛みを引き起こさない強さで通電する。

4.膝関節痛のSSP療法

A.通電部位

  ①内側 : 血海{膝蓋骨内上角の上方2寸、大腿直筋と内側広筋との間にできる溝に取る}(緑色)と陰陵泉{脛骨内側顆の直下、脛骨の内縁を指先で上方へ向けて撫でていくと指が止まる所に取る}(黄色)

  ②外側 : 陽陵泉{腓骨頭の前下部の圧痛部}(緑色)と陰市{膝蓋骨外上角の上方3寸、大腿直筋と外側広筋との間にできる溝に取る}(黄色)

  ③後側 : 委上{膝窩横紋中央の上方2寸付近の圧痛部}(緑色)と合陽{膝窩横紋中央の下方2寸付近の圧痛部}(黄色)

 B.通電方法 : ①上記の通電部位から、症状の強い場所を選んで通電する。

②5・20Hzのミックス通電で、10分~15分間、痛みを引き起こさない強さで通電する。

③通常、膝関節痛に対しては、内側と外側を組み合わせて用いることを原則とする。

④膝蓋骨部に痛みがある場合は、内側と外側のつなぎ方を次のように変更して通電する。 : 陰陵泉(黄色)と陰市(緑色)、血海(黄色)と陽陵泉(緑色)

5.上肢の神経パルス療法の応用

A.通電部位 :

(1) 橈側の痛み : C6直側(緑色)と曲池{肘窩横紋の外端で上腕骨外側上顆の前}(黄色)、または合谷{手背で第1・第2中手骨底の会合部}(黄色)。

(2) 中央部の痛み : C6、またはC7直側(緑色)と外関{前腕後面の正中で手関節横紋の中央の上方2寸}(黄色)、または大陵{手関節の後面で横紋の中央}(黄色)。

(3) 尺側の痛み : C7、またはTh1直側(緑色)と小海{肘関節の後面で尺骨神経溝の部}(黄色)、または腕骨{手関節背面の尺側で第5中手骨と有鈎骨との間の陥凹部}(黄色)。

 B.通電方法 :

(1) 神経起因性の軽度の痛み、または循環傷害起因性の痛みであれば、5・20Hzのミックス通電で、10分~15分間、痛みを引き起こさない程度の強さで通電する。

(2) 神経起因性の中程度以上の痛みに対しては、1~1.5Hzの持続通電で、15分~20分間、皮膚の痛みを引き起こさない範囲で可能な限り強めの刺激で通電する。

6.前立腺炎、および前立腺肥大のSSP療法

A.通電部位 : 三陰交{内果の上方3寸で、脛骨内縁に取る}(緑色)と中極{臍の下方4寸で前正中線上に取る}(黄色)、または関元{臍の下方3寸で前正中線上に取る}(黄色)

※ 通電に際しては、中極または関元の導子に左右の端子をはさみ、両側同時におこなう。

 B.通電方法 : ①1.2~1.5Hz(脈拍の速さ)の持続通電で、10分~15分間、痛みを引き起こさない強さで通電する。

②通電中に下腹部に熱感が感じられれば、効果が期待できる。

7.月経痛、月経異常に対するSSP療法

A.通電部位 : 三陰交{内果の上方3寸で、脛骨内縁に取る}(緑色)と中極{臍の下方4寸で前正中線上に取る}(黄色)、または関元{臍の下方3寸で前正中線上に取る}(黄色)

※ 通電に際しては、中極または関元の導子に左右の端子をはさみ、両側同時におこなう。

 B.通電方法 : ①月経痛、過多月経、頻発月経に対しては、1.2~1.5Hz(脈拍の速さ)の持続通電で、10分~15分間、痛みを引き起こさない強さで通電する。

②過少月経、稀発月経に対しては、20~100Hzの持続通電で、15分~20分間、穏やかな刺激で通電する。

③いずれの場合も、通電中に下腹部に熱感が感じられれば、効果が期待できる。

8.食欲不振、夏バテ、胃腸虚弱に対するSSP療法

A. 通電部位 : 三陰交{内果の上方3寸で、脛骨内縁に取る}(緑色)と陰陵泉{脛骨内側顆の直下、脛骨の内縁を指先で上方へ向けて撫でていくと指が止まる所に取る}(黄 色)、および足三里{外膝眼の下方3寸で下腿の前外側に撮る。、脛骨粗面直下と腓骨頭直下を結ぶ線上の中点で圧迫すると最もよく響くところみに取る}(緑 色)と衝陽{足背で第2第・3中足骨底の会合部に取る}(黄色)

 B.通電方法 : 20~100Hzの持続通電で、15分~20分間、穏やかな刺激で通電する。

③通電中に胃腸が動き出せば、効果が期待できる。

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2009年5月24日|

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